バイヤーズ・エージェンシー・システム。
2014年02月20日
バイヤーズ・エージェンシー・システム。。。
「不動産を買うお客様にサービスを提供する営業マンの手数料を売主が払う」というアメリカでの不動産売買時の制度です。。。
先週の水曜日に行ったセミナー(2/13のブログ見てみて)からアメリカナイズされたアメリカンな私は、アメリカの業者事情や取引
の仕方などに興味を持ち始めて合間を見てネットをカチャカチャしています。。。これを掘り下げてみると日本との違いや案外おも
しろかったので紹介してみます。
もともとアメリカでは買主が手数料を払う習慣がありません、買主側に立つ営業マンは売主側に立つ営業マンから手数料を得てい
ました(ここでいう営業マンは日本では仲介不動産業者にあたりますがアメリカではエージェントシステムですので日本的に言うと
営業マンは個人事業主になります)。アメリカは契約社会ですから、売主は自分の不動産を売ってくれる営業マンと契約をします、
その営業マンは売主に対してサービスを行い売主に尽くす義務が発生します、この時に何が起こるかというと...売主側営業マンは
売主に不利な情報を買主に伝える事をしなくなります...不動産を欲しい人に物件を紹介する買主側の営業マンは、売主側の営業
マンの報酬からその一部の報酬を得る限り、売主や売主側営業マンの意向に沿った形となってしまします...例えば...一般の顧客
は気付かない事でもプロは気付きます、その時買主側の営業マンは口を噤んでしまいます見て見ないふりをしてしまいます。
結果として買主側営業マンは買主から不信感を持たれ、売主側買主側問わずに営業マン自体の信用が無くなります。アメリカの
場合は日本と違い売主側仲介会社と買主側仲介会社が同じという事はありません(ここも2/13のブログ見てみて)、時には売主側
営業マンになり、時には買主側営業マンとなる訳ですから当然と言えば当然です。。。そこで営業マンたちが考えたのが表題のバイ
ヤーズ・エージェンシー・システムです。初めは売主は買主側の営業マンの手数料を支払う事に抵抗はあったようですが。。。
売ったら次の不動産を買ったり、買わない場合でも自分の身内や親戚が買う時もある友人知人が買う。。。優秀な買主側営業マンを
育てて確保して行く事は巡り巡って売主の為になると理解されて行きました。アメリカの一部の小さい町から始まったこのバイヤーズ
・エージェンシー・システムが今では全米で定着しているようです。
これを日本に置き換えてみるとどうでしょう、現行の宅地建物取引業法の報酬形態規定に抵触し無理があります、法改正を目指すと
既得権益に守られた業界団体からの反発もあり問題は山積みだと思います。。。
そして、このバイヤーズ・エージェンシー・システムのメリットも書いてました!!最近はインターネットで情報公開して、営業マンを入れ
ずに個人売買をする方も多いようです。ここは日本も同様ですがしかしアメリカは一味違います、このシステムがある限り買主は手
数料を支払わなくてもプロのアドバイスやサポートを受ける事が出来ますが、個人売買の場合プロのサポートはありませんし、個人
売買の為に買主営業マンと契約すると買主が手数料を払わなければいけませんので買主にとって魅力はありません。
このご時世ネット時代に対応したなかなか上手いやり方やなぁと感じました。